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【裾野・すやまうどん】地元民が愛する「幻のうどん」は築80年以上の民家で週末だけ製造されていた

富士山の麓に位置する静岡・裾野市。そこには地元の人が愛してやまない「幻のうどん」があるとのことで調査に向かいました。週末だけしか作れないため、とにかく量が限られていて「幻」でした。

幻のうどんを販売するお店へ

まずは、裾野市民が愛する幻のうどんを販売しているというお店へ向かいます。

やって来たのは裾野市農産物直売所「JAふれあい市」です。

店内にはイチゴやタケノコなど地域の名産品がずらりと並びます。地元ならではのアットホームな雰囲気が漂います。

さっそく、店長の今村浩さんに幻のうどんについて尋ねると売り場まで案内してくれました。

名前は「すやまうどん」。裾野市民が愛してやまない幻のうどんです。

麺を見てみると、通常のうどんより細いようです。

店長の今村さんも週1~2回は食べるそうで、すやまうどんに対する愛がうかがえます。

左)今村浩 店長 右)にむらあつとリポーター

JAふれあい市・今村浩 店長:
地元で本当に愛されています。コシが強くて伸びにくいのが特徴です

すやまうどんの製造を手掛けているのは「渡邉製麺」のみ。その製造方法は謎に包まれていて地元の人でも知らないようです。幻といわれる理由がみえてきました。

続いては、唯一の製麺所「渡邉製麺」に向かい、地元で愛される理由を探ります。

築80年以上の製麺所

渡邉製麺があるという場所を歩いてみても工場のような建物は見当たりません。「すやまうどん 渡邉製麺」と書かれた看板を見つけましたが、普通の家のように見えます。

にむらあつとリポーター:
非常に立派な民家ですけど、うどん工場みたいなそういった建物はまったくありません

一見すると製麺所があるとは思えない民家ですが、訪ねてみると玄関には販売用のすやまうどんがありました。

渡邉製麺代表の渡邉吉己さんに話を伺います。

渡邉製麺・渡邉吉己 代表
すやまうどんを作って80年くらいになります

右)渡邉製麺 代表・渡邉吉己さん(76)

製麺所は祖父の代から引き継いで渡邊さんで3代目になるそうです。築80年を越える建物を工場として使っているとのこと。

製造現場には驚きの光景が

いよいよ幻のうどんの製造現場に潜入です。裾野市で80年以上愛される 「すやまうどん」の製麺所には驚きの光景が広がっていました。

木造の建屋の中にはうどんが一本一本きれいに吊り下げられ、自然乾燥されていました。

長さがあっても形を崩さず安定して干せるのは、コシが強いからなんだそうです。強いコシを生み出す秘訣は材料にありました。

渡邉製麺・渡邉さん:
良質な小麦粉、3種類の粉をブレンドしています。それからミネラル豊富な富士山の地下水ですね

製麺機も80年以上前の創業時から使用。製麺機で生地を100層以上折り返し、生地を細く伸ばしているので、とってもコシが強い麺に仕上がるんです。

“幻”の所以は希少性にあった

本業は役所勤めだったので、仕事をしながら休みの日に製麺をしていたという渡邉さん。

今でも渡邊さんの息子が仕事の休みに合わせて製造しているとのこと。

渡邉製麺・渡邉さん:
あまり大量生産しないものですから、供給不足になるので幻のうどんと言われているのかなと思います

裾野市内にたった1社の製麺所が、週末だけ作っている。その流通量の少なさから「幻のうどん」と呼ばれているんです。

残すは味の調査。渡邉さんの自宅で「すやまうどん」を食べさせてもらいました。

須山地区では伝統的に、鶏肉、ニンジン、シイタケを入れた麺つゆに、ゆでた麺を絡めて食べます。

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にむらあつとリポーター:
おいしい。のどごしが良くて、コシがありますね。するする喉を通っていって、すごい気持ちのいいうどんですね。つけ汁との相性も抜群ですね

そうめんよりもコシがあり、かみ応えがあります。サラッとしたつゆに合います。

確かに実在した幻のうどん「すやまうどん」。それはこだわりと歴史が詰まった裾野ならではのうどんでした。

■店名 すやまうどん 渡邉製麺
■住所 静岡県裾野市須山176
■定休 不定期(要事前連絡)
■問合せ 055-998-0612

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